こんにちは~
気がついたら前回の更新から一ヶ月経っていて驚きました。
タイトルを見て、コイツいままでどうやって知らずに生きてきたんだよ、って感じだと思います。わたしもそう思います。
この春に講義できちんと論文の探し方を教わり、良い機会だなと思ったので自分でより詳しく調べてみたり指導教官に訊いてみたりしました。
その結果、自己流や先輩からの伝え聞きだけでどうにかしようとしてきた自分の愚かしさと、今までよくわからないまま適当に使ってきたWeb of science の便利さを思い知りましたので、今回は自分が知ったことをまとめてみようと思います。
いま修論の投稿準備を進めていますが、今回の内容フル活用してます。超便利。学部の時から知っていたかったよ~の気持ち。修士まで終わっちゃったよ~涙
大学図書館等でデータベース利用法のガイダンスなどやってくれていたり、図書館ホームページにデータベースの使い方のweb 講習が公開していたりするので、在学中の皆さんはぜひ参加しましょう。
わたしのように時間を浪費することがないように…。
今回載せているいずれのデータベースも、大学図書館のサイトからアクセスすると無料で読める論文が増えることがあるため、論文を読む前に自分の大学の図書館のシステムを知っておきましょう。
自分の専門分野に特化した検索システムも調べておくと便利かもしれません。
【初めに知っておいたほうがいい】検索のコツ
PubMed/Web of science/Google scholar 共通です。
キーワードの英訳にはライフサイエンス辞書が便利
ライフサイエンス辞書についてはこの記事にちょろっと書いています。
英語論文を書く際に便利なツール(随時更新) - 研究メモ (hatenablog.com)
2語以上からなるワードは""でくくる
e.g. "learning disability"
ある語ではじまるキーワードを入力するときは*をつける
*をつかうことで単数・複数一気に検索することや、形容詞と名詞両方一気に検索することが可能
e.g. "learning disabilit*" autis*
条件検索をつける
- AND/OR/NOT の利用
- A AND B (A もB も含まれるものを検索)
- A OR B(A かB どちらかが含まれる)
- (A OR B)AND C(A かB どちらかが含まれ、かつC が含まれる)
- A NOT B(A は含まれるがB は含まれない)
【超ザックリ】「信用できる雑誌」 の見分け方
※もちろん例外はあります。責任は持てないので変だと思ったら信頼できる人に相談しよう。
- 高インパクトファクター(IF)雑誌は良い論文が多い(よく言われているやつ)
高IF の基準は分野によって異なると思われるが、一般には5以上とされる
商業誌は信用ならないものもあるので、IF5以上以外は信用しないのが吉(これも分野による)
- 学会誌はIF が低くても信用できる
- 歴史がある(20年以上)続いている雑誌はほぼ大丈夫
すなわち2000 年代以前に創刊しているものはおおむね信用できるということ。30年以上続いていたら古参雑誌と呼べるらしいです。
論文検索データベース色々
包括的に論文を探す
◯ Web of science
- 信頼できる研究情報のゴールドスタンダード
- インパクトファクター(IF)はWeb of Science のデータを元に計算される
逆に言うとWeb of science に載っている論文にはIF がついているということです。
IF がついているジャーナルの論文は基本的には信用できるので、データベースに迷ったらまずWeb of science を使っておくといいと思います。基本的には、というのはいわゆるハゲタカと呼ばれるものの中にも歴史を重ねた結果いつの間にかIF がついちゃっていたり、IF がついていても査読プロセスが機能していなかったりしているジャーナルもある(らしい)ためです。
「査読なんか怖くない?」 Science誌にオープンアクセス雑誌の査読に関する実験報告 | カレントアウェアネス・ポータル
Who's Afraid of Peer Review? | Science (sciencemag.org)
◯ Scopus
- Web of science に並ぶ大手検索データベース
- 扱っている論文はWeb of science よりも多い
ただし、多い=良いではない点に注意です。Web of science が少ないのは独自基準で質のいいものを選抜しているためらしいので、どっちがいいとは一概には言えません。中の人の指導教官はScopus 派です。中の人はScopus を使っていないので詳しいことは書けません。
お手軽に探す
◯ Google Scholar
- 広くウェブから検索してくれるため、図書館データベースからでもアクセスできない論文が読めることがある
- (研究者が個人的にResearch Gate で公開しているpdf なども引っかかるため)(公開していいのか…?)
- ただし、きちんとしたデータベースではないので選定基準がなく、査読付き論文だけが載っているわけではない
- ゆえに、しっかりした論文を探すのが難しい
個人的にはWeb of science で見つけてGoogle Scholar で全文検索するのが一番いいのかなという気がしています。最近は専らその順でやっています。
お手軽かつ専門的
◯ PubMed
(おまけ)より専門特化したデータベースの例
PubMed による検索
キーワードをただ検索すると「タイトル」「著者名」「アブスト」「キーワードMeSH」「所属」「雑誌名」に含む論文が全て出てくる
著者名検索をする
「姓 名イニシャル」「姓 ミドルネーム+名イニシャル」で検索する
e.g. Shinsen Yasai → Shinsen Y、Shinsen Janai Yasai → Shinsen JY
Filter をかける
- article type(ドキュメントタイプの指定)
- publication date(何年以内に出た論文を検索するかを指定)
◯ Additional Filter で他にも様々な条件指定が可能
- SPECIES
- LANGUAGE
- SEX
- SUBJECT
- JOURNAL
- AGE
キーワード指定
MeSH ターム(Medical Subject Heading)とは
国立医学図書館が論文に与えたキーワード。ゆえに、たとえ著者が変なキーワードで論文を登録していても、MeSH タームを使えば検索に引っ掛かる!
Advanced(検索窓の下)>Add terms to the query box >タブの中から「MeSH Terms」を選択 >キーワードを検索 → MeSH 検索ページが出てくる
◎ 検索ページではMeSH 検索の範囲をさらに狭めることができる
見たい分野にチェック >Add to search bulider >Search PubMed
タグ付け検索
知っていると便利なタグの例
- author [ac], first author [1au]
- jornai title [ta]
- title [ti]
- 2019 [dp]
Web of science による検索
あまりにもWeb of science だけ長くなっちゃったので別記事に分けました。
nemunemu-nyanko.hatenablog.com
以上で論文の探し方まとめ記事はおしまいです。
こういう「知らなくてもどうにかなるけど知っていれば便利なこと」が世の中には多すぎて困っちゃうな~。
そういうものを見つけてはここで記事にしていこうかなという所存です。
それでは、また。