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バイオ系博士学生が最終年度の秋から民間就活やってみた

はじめに

こんにちは~。ガイです。

「博士に進むと就職できない」「選ばなければ仕事はある」など、さまざまな意見が飛び交う昨今、仕事はあるのか?選ばなければってどのレベル?というあまり知られていなさそうな疑問を身をもってたしかめたので、記録しておくことにしました。

中の人は就活についてズブの初心者です。そのくらい初心者かというと就職四季報会社四季報を間違えて買うくらいです。全編に渡り、そのような初心者の感想ですので、そのあたりを念頭に置いてお読みください。

また、本題に入る前に強調しておきたいのですが、就活する場合、就活用のメールアドレスを取得した方が良いです。仕事用アドレスに就活のメールがくると見落としが増えますし、なによりストレスなので。Gmail でいいので新しいアカウントを取得しておきましょう。

なぜ就活を始めたのか

もともと、アカデミアでも民間研究職でも研究が続けられればどちらでもいいなというのが修士時代からの考えでした。しかし、博士課程で分野を移った結果、修了時期が全く読めなくなり、さらにはD3 でテーマが変わってより一層先行きが不透明になり、民間就活のタイミングを逃しました。新しいテーマで結果が出始めたと思ったら、動物舎で寄生虫が出て半年実験が止まるなどの困難もあり、いつ、どころか、そもそも修了できるんですか?という状態。

そんななかで、実験ができない間に研究室見学を済ませ、特別研究員応募の申請書だけは何とか提出できたものの、秋口に補欠となりました(結果が出るのは一月上旬)。

その頃には、どうにか修了が見えてきていましたが、先が読めない状態の続行が決まりました。特別研究員の受け入れ先の先生からは、研究費の都合上、特別研究員不採択の場合には雇えないとはじめから言われており、当初から落ちたらすぐアカデミアと民間両輪の就活を始めるつもりではありました。その後、受け入れ先の先生に補欠になったことを報告すると、パートタイムテクニシャンとしてなら雇える可能性が高いが、もしほかに良い話があればそちらに行ってもらって構わないというお話だったので、予定通り就活を始めました。

 

十月に就活を始めても仕事はあるが、一般研究職は厳しい

結論から言うと、2025 年度春卒で2025 年度十月から就活を始めても複数の内定をいただけたので、仕事はある、というのは本当のようです。また、企業の規模としては中小からプライム上場大企業まで内定をもらえたので、選べないということもなかったです。ただし、業界は限られます。特に、この記事を読んでいる人の多くが関心を持っているであろう一般的な民間研究職に年度内内定をもらうのはかなり難しそうです(ベンチャーアウトソーシングの研究職は除く※後述)。私はエージェント担当者の勧めにしたがい、IT やバイオインフォマティクス業務を行うバイオベンチャーを中心に受けました。

 

就活初めの様子

就活始めは何をしたらいいのかよくわからなかったので、自分の分野に近そうな民間研究職の採用ページを見ていきました。しかし、基本的には2025 卒は十月時点ですでに終わっていました。既卒〇年以内は応募可能と要項に書かれている、すなわち出遅れても次年度なら応募可能な企業はいくつか見つかりました。が、その場合、次の春まで身分宙ぶらりんで待つことになってしまいますし、そこから受かる保証もありません。さらに、既卒採用可能な企業あっても、インターンは正規の(?)就活生しか参加できないことが多く、つまりは就活時期が遅れるうえに、戦う相手はインターンなどで企業研究を進めてきた年下となってくるので不利だろうと思いました。明確に志望する企業がある場合にはその点も見越してさっさとインターンに行っておいた方が良いのかもしれないです。かもしれない、というのは、博士向けの説明会で「博士の人はインターンなんてくる暇あったら研究してください。インターンくる時間あるならさっさと面接しましょう」とおっしゃっている業界最大手民間企業もあったためです。インターン履歴に重きを置いているかは企業にもよるようです。

自力で調べた結果、研究職は無理そうだと思いましたが、業界や企業についての研究は行ってこなかったので、私が見た企業の偏りもあるだろう、本当に民間研究職の募集がこの時期にないかはプロに訊いた方がいいな、と思い、新卒向けエージェントサービスを利用することにしました。

 

エージェントサービスとは

エージェントサービスというのは、専任のキャリアアドバイザーが個別面談を通じて就活をサポートしてくれるサービスです。

参考:https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/

エージェントを介した就活で感じたメリット

  • どんな業界・職種が向いていそうか、経歴や面談内容をもとに一緒に考えてもらえるので、志望業界・職種が定まっていなくても方向性を絞っていける
  • 面接前に、過去に出た質問だけでなく、その企業でどういう人柄や受け答えが好まれるのかを教えてもらえるので面接が通りやすい(そのため、ハマる案件を紹介してもらえた場合はエージェントを使った方が有利そう)
  • 志望動機が上手く考えられない際に相談に乗ってくれる(この点は担当者の経験値に左右されそう)
  • エージェントを介して面接を受けた場合はなぜ落とされたのかも知ることができるので、落ちても先に活かせる

自分が利用したエージェントはすべて無料でした。エージェントサービスは人材を紹介される企業がお客様であり、企業からお金が支払われます。私達は商品なので、商品側からお金を支払う必要はありません。人手不足の時代なので、まともな人材を企業に紹介するという仕事にはけっこうな報酬がつくようです。「人材紹介 報酬 新卒」などで調べると相場がわかります。2024 年時点で、理系新卒の成功報酬は大体一人当たり100 万円~。なので、エージェントの方に対しては、人としての礼節を保つのは大前提として、無料なのに申し訳ない、などとは思わずに、自分の要望ははっきり伝えたほうがお互いwin-win になれそうです。私も最初は遠慮していましたが、とある人材紹介サービスの会社の説明会で成功報酬を知ってからは気が楽になり、要望を出しやすくなりました。

 

エージェントサービスは同系統のサービスを複数使って裏どりをするのが吉

話を戻します。ひとつのサービスだけ利用して将来を決めるのは、一つの先行研究の結果のみを鵜呑みにして研究計画を組むようなものでは、と思ったので、複数エージェントを利用しました。

また、院生向けエージェントと普通の就活生向けエージェントを組み合わせました。

院生向けとしてはアカリクとtayo のエージェントサービスを、普通の就活生向けエージェントとしては株式会社ポートと株式会社ヒトツメのサービスを利用しました。

ここに名前は載せませんが、エージェントサービスの面談を複数受ける中で、「年を食っている(一浪・一OD)から、育てる期間が長い技術職では取りたがらない」「その職種だと転職がきつい」等と不安をあおるようなことを言って自分の導きたい職種に誘導しようとするエージェントにも当たったので、サービスを複数利用して、見解がある程度一致しているかを確認するのは大事だなと思いました。

 

エージェントを使った就活体験記

エージェントの方との面談で、自分がどのような企業に行けそうなのか、行きたいのかを考えていきました。もちろん、すべてのエージェントで初めに研究職について訊きましたが、tayo を除くとこの時期に研究職はアウトソーシング以外厳しいですねとのお答えだったため、tayo 以外のエージェントでは、研究職以外を模索する方向に切り替えました。tayo はベンチャー企業に強いエージェントサービスであり、バイオベンチャーなら紹介できるかもしれないと、ほかのエージェントサービスに比べると、研究職にも前向きなお答えでした。

アウトソーシングというのは派遣研究職です。派遣と言っても、所属企業によっては、案件の期間も数年単位以上の長期で、大手製薬企業等においてそこの正社員とほぼ同等の裁量を持って働くことができ、スキルアップの後押しもしてくれるところもあるようなので、一概に悪いということは無いと思います。何より、正社員で福利厚生があり、任期はなしです。昨今、研究所を閉じたり縮小したりする企業が増えていますが、たとえそういうことがあっても、案件を移るだけで研究ポジションにい続けられます。ただし、説明会を聞いていると、研究職というよりは作業員ですよね、というアウトソーシング企業もありますし、そうではない企業でも、案件の引きが悪ければ悲しい結末になることもあるんだろうなという感じです。

 

利用したエージェント

【院生向け】アカリク(https://acaric.jp/

招待URL: 新規会員の登録 | 大学院生(修士/博士)ポスドクの就職・転職情報サイトアカリク (ここから登録するとお互いにAmazon ギフトカードがもらえます)

京大修士卒の友人がこのエージェントを使って国内最大手企業の研究職に一本釣りされたと聞いていたので、最初に頭に浮かび、登録しました。

担当者との最初の面談で一般研究職は諦めてくださいと言われましたが、候補案件としては比較的専門に近く研究色の強い企業を紹介してくださいました。開発職ではありましたが、製薬会社を唯一紹介してくださったのはアカリクでした。

特別研究員の結果を待ちたい旨を最初の面談で話していましたが、「なぜそんなに特別研究員がいいのか」をその後複数回確認されました。私自身、待遇や任期についての文章を打ちながら、説得力のある説明は難しいなぁと感じました。学振PD の待遇は昔に比べればはるかによくなっていますが、一般企業に勤める三十手前の人と比較すると最低限の福利厚生ですし、給料も任期付きという先の保証のない身分にしては高くはないでしょう。このままの状態を維持したいのであれば、それでもいいのかもしれませんが、これから博士を増やそうという国でこの待遇のままでいいのかは甚だ疑問です。

 

【院生向け】Tayo(https://tayo.jp/

tayo も友人からの口コミがきっかけで利用しました。私とおなじ一浪一OD の友人がtayo を介して就活し、専門性に合った企業で活き活きと働いているので使ってみてほしい、と言われ、それは魅力的、と登録しました。tayo のアドバイザーの方は院生のキャリアや願望への理解が深い印象でした。面談で「せっかく博士がんばっているので、ぜひ研究職目指してもらいたいです!」と担当者の方に言っていただけたのは励みになりました。面談の順序的にはtayo の面談が最後で、複数エージェントから「研究職はこの時期無理だよ~」と言われたあとだったので。

tayo が扱っているベンチャーは通年採用のところも多いので、十月からの就活でも案件はあるとのことでした。また、特別研究員の結果を待って内定承諾を決めたいと話したところ、その点も加味して企業に確認してくださり、後ろめたい気持ちなく就活を進めることができました。そのような条件でも応じてくださる企業があり、正直驚きました。主にバイオインフォマティクスベンチャーを紹介していただきました。ほかの候補として、研究職と求人票に記載されている仕事はありましたが、業務内容を確認したところ細胞培養のテクニシャン業務だったので、そちらはお見送りしました。アカデミアに残りたい気持ちがあるのを否定されることがなかったのと、特別研究員採用が確定した場合は副業での採用も考えてもらえるというので、とても気が楽でした。

 

キャリアパーク!就職エージェント(https://careerpark-agent.jp/

友達紹介URL: https://port-agent.jp/employ/introduction?service=cpa

最初の面談で技術職就活をしたいと言ったら、機械系や整備系などバイオ畑人間が使い物になりそうにはない案件が多く候補にあがってきて、院生向けエージェントの専門性への寄り添い力を実感しました。そのなかでギリギリわかりそうに思えたIT 系に絞って受けました。今回受けた企業の中で一番従業員数の多いプライム上場企業を紹介してくださったのはこのエージェントなので、業界問わず大きな会社に入りたい、という状況ならよかったんだろうなと思いました。担当者の方はとてもやさしく、ほめて伸ばしてくれるタイプの人だったので、案件さえ専門に合えば大きい会社に入れてよかったんだろうな…。あと、面接前の対策は一番綿密でした。

 

シュトキャリエージェント(https://hitotume.co.jp/shutocari/lp/

担当者の方が経験豊富なベテランで、こちらの専門性を加味して、紹介企業のみならず面接全般に活かせるアドバイスをくださったのでありがたかったです。所属するアドバイザー全員がそうなのかはわかりません。案件としてはやはり院生向けエージェントとは違って専門に合致した内容ではなかったのですが、担当者の方の力量ではなく企業が持っている案件の問題なんだろうなと思いました。こちらでもIT を中心に受けました。

アウトソーシング研究職の面接を受けた際に人事の方から「生物系でIT に流れる人が多くて本当にもったいないんですよね。ぜひ研究職へ」と言っていただいたのですが、それはエージェント企業の影響もあるのかなと思いました。

 

【おまけ】エージェントを介さない就活(Offer box とアカリク)

Offer box という企業から直接オファーがもらえるサイトも使ってみました。

プロフィールを100% 埋めると毎日毎日さまざまな業界のオファーが大量に来て、逆にどこを選んだらいいのかわからなくなり、疲れて途中でやめました。Offer box を介して今まで考えたことがなかった業界のベンチャー企業の選考をいくつか進めましたが、家族のキャリアとつき合わせて考えた時にキャリアパスを上手く描けなかったので、結局途中で辞退することになってしまいました。

アカリクのスカウト機能もすこし使いましたが、Offer box に比べるとスカウトはかなり少なかったですし、必ずしも専門に沿っている内容ではなかったです。

 

面接でよく出た質問

  • 自己紹介(大学名・研究の要約)(全社)
  • なぜうちなのか(全社)
  • なぜ博士まで行って他業界に就職するのか(ほぼ全社)
  • 就活状況(どこを受けているか)(ほぼ全社)
  • どんなキャリアを描いているか(ほぼ全社)
  • なぜ博士で別の大学院に行ったのか?(大半)
  • (IT の場合)なぜこの経歴でIT なのか
  • (IT・バイオインフォマティクス共通)使ってきた言語とその習熟度・学習方法
  • (IT・バイオインフォマティクス共通)ソフトウェア等の開発経験はあるか?
  • 長所・短所(たまに)
  • ガクチカやバイト経験(たまに)
  • 逆質問(毎回)

 

どう答えていたか

人事は人を見抜くプロです。私達がデータを見つめている間、彼らは人間を見つめています。そこで、伝え方には気を遣いつつ、基本的には正直に答えていました。嘘をつく必要が減るように、魅力を感じない企業は最初から受けませんでした。

最終以外は全社オンラインだったので、志望動機などはどうしても口頭では伝わらなさそうだと思ったら短いプレゼンも用意しました。

また、私の就活では、研究能力が直接仕事には活きない職種が大半だったので、研究で手に入れた強みは主張しつつも、チーム単位で仕事をする力があると伝えられるよう努力しました。

  • なぜうちなのか → 会社HP や説明会やエージェントからの情報に基づいて、自分の過去の経験と仕事内容とを組み合わせた志望動機を考えました。具体的エピソードとともに説明するとわかってもらいやすかったです。他社と比較したときの強みは大抵説明会でもHP でも強調しているので、強みについては予想問答みたいなものだと思いました。

 

  • なぜ博士まで行ったのに他業界に就職するのか → 博士課程は修了時期が読めない。修了見込みが立ったころには研究職は軒並み締め切っていたため、そこからキャリアを見つめなおし、この業界に親和性があるのではないかと思った、と話しました(その後、業界に合わせた詳しい理由の説明)。また、民間に行きたい理由としては、指導教員が民間企業出身であり、さまざまな場面で視野の広さを感じ、自分も外に出てみたいと思ったと言いました(本心)。

 

  • 就活状況(どこを受けているか)(ほぼ全社) → アウトソーシング研究職を受けつつ、ほかはIT も数社受けていると正直に話しました。特別研究員については、アカデミア関係で深掘りされない限りはわざわざ言いませんでした。

 

  • どんなキャリアを描いているか(ほぼ全社) → はじめての仕事になるので、実際に働いてみて適性を見極めていきたい、というのを前提として話しつつ、プロジェクトをマネジメントできるような力量を身に着けていきたいと答えました。マネジメントができる・したいと考える理由を問われた場合には、筆頭著者として行ってきた研究テーマの立ち上げから論文化までのプロセスと、プロジェクトマネジメントの類似性を述べました。

 

  • なぜ博士で別の大学院に行ったのか?(大半)→ 大学院も研究室も学部修士博士ですべて変わっている私の履歴が変すぎて訊かれたのだと思われます。指導教員の退官と、研究テーマへの興味を理由として挙げました。

自分としてはもちろん興味のほうが理由として強かったのですが、面接官の納得感が大きそうだったのは退官のほうでした。

  • (IT の場合)なぜこの経歴でIT なのか → 研究は自分のアウトプットがいつ社会に届くのかわからないのに対し、IT の仕事は自分が生み出したものを通じて直接ひとの生活に貢献できるのが魅力的と答えました(to C サービスをつくる企業を中心に受けていたため)。解析でプログラミングもすこし触ってきたので、プログラミングの勉強には抵抗がないことも主張しました。

本心なので、今後アカデミアに残る場合には社会から遠いという側面をどう自分の中で解消していくかを考える必要を感じています。

  • (IT・バイオインフォマティクス共通)使ってきた言語とその習熟度・学習方法・ソフトウェア等の開発経験はあるか? 正直にソフトウェア開発の経験はないと答えました。R・Python などバイオインフォマティクス関連の言語については、自分のできる範囲を答えました(アカリクエージェントに提出するためにIT スキルシートを事前に作っておいたのがとても役に立ちました)。また、IT 企業でよく使われるJavaaws は触っていないことも話しました。あんまりにも説得力がないのと、元々興味はあったのとで、Java のほうは選考途中からプロゲートで勉強し始めました。

 

  • 長所・短所(たまに) → 研究で身に着けた長所など(履歴書に書いた内容をそのまま)。短所は答えつつ、これまでどのように補ってきたかもフォローとして説明しました。

 

  • ガクチカやバイト経験(たまに) → ガクチカの場合、最初は研究のことを強調し、その後、面接官の様子を見て修士や学部での経験を話しました。研究以外の話をする際には、コミュニケーションに難がないことを印象付けるよう気をつけていました。

バイトは飲食と塾講の経験がありましたが、飲食についての話を長めに話したり、趣味の音楽活動を通じてライブハウスで幅広い年代のひとと交流してきたことを強調したりしました。

  • 逆質問(毎回)

月並みですが、その企業で働き始めるにあたって不安な点(例:研修制度の詳細、チームの人数、自分のような初心者が行き詰まった場合先人はどう解決してきたのか、初めはどんな仕事から入っていくのか等)と、ライフイベントについての質問をしていました。

 

祈られた理由

祈られた企業もいくつかありました。理由を書いていきます。

  1. 上昇志向が強く、長く在籍してもらえなさそう

キャリアプランを問われたときに大目標を掲げすぎて、すぐ転職すると思われたのだと思います。向上心の出力を誤りました。

  1. アカデミアに未練がありそう

アカデミアではどこか受けていないのか?と問われて、じつは特別研究員も受けていますと答えたら落とされました。しかし、同じように答えたところ、じゃあ結果を待ってから決めたいですよね、と言ってくださった企業もあり、内定もいただきました。答え方の正解は企業によるようです。また、内定をくださった企業はアウトソーシング研究職でしたが、学位の不安や特別研究員について話したところ、内定承諾期限も一月半ばまで伸ばしてくださいました。

  1. 他者比較の結果

就活とはそういうものでしょう。

 

全体通しての感想

本当に世の中は人手不足なんだなぁと思いました。企業は常に新たな人材を求めていますし、採用した人が流出しないよう、就活段階でのマッチングにものすごく労力を割いているのを感じました。面接前のエージェントからのアドバイスで、「この企業は向上心を強調しすぎると社風に合わないと落とされます」「能力よりも、客先常駐でお客さんに気に入られる愛想のよさが大事なので、とにかく笑顔で」等と言われた企業があり、驚いたのですが、実際に向上心の出力ミスで一社落ちたことで納得せざるを得ませんでした。また、内定後面談で修了がまだ確定しておらず危ういという話をしたところ、大きな声では言えないが、そういう内定者は毎年数人いるので人事が卒論の進捗確認を行っていると言われるなど、一度確保した内定者を減らさないよう企業も苦慮しているのを目の当たりにしました。

アカリクの面接対策基礎動画(https://www.youtube.com/watch?v=QTV87s3f35U)によると、求められる人材はザックリいうと「長く働いてくれて」「能力がある」だそうですが、今回、就活する中で、「簡単に転職されない人材の中で、最大限」の能力とやる気の人物の見極めが行われているんだなというのを自分も感じました。黙っていても人がいくらでも応募してくる企業はまた違うのでしょうが…。

そのような状況において、アカデミアは人間を粗末にしすぎだと思います。アカデミアを志す人自体が減っているなかで、アカデミアを目指す多くの学生の進路を九月末まで不透明にし、場合によっては私のように十二月末まで結果が据え置きになります。十二月末から何ができるというのでしょうか。

特別研究員に落ちた場合に雇ってもらう先はいつ探せばいいのかとSNS でつぶやいたところ、「落ちた後に死ぬ気で探す」「落ちても雇ってくれるところ最初から探すでしょ普通w」というような返信が来て落ち込みました。前者については、決まらなかったらここまでがんばってきたのにアルバイトか無職ってこと…?と思い、悲しくなりました。後者については今のアカデミアの状況を理解していると思えないです。ポスドクひとりを雇うのには年に数百万円かかります。研究を遂行する資金を確保しながらポスドクを雇う余裕のあるラボはそんなに多くありません。特別研究員受け入れ先探しの研究室見学で四研究室回りましたが、どこも研究費で雇うのは無理という返答でした。

私も霞を食って生きているわけではないので、アカデミアでの就活には期待せず、民間就職を始めました。同じような状況の人はほかにもいるでしょう。そうすると、民間とアカデミア、どちらをとるにしても、どちらかには必ず迷惑をかけます。仕方のないこととはいえ、それがものすごくしんどいです。

アカデミアにいる人は、当然どちらも受かればアカデミアと思うかもしれませんが、実際に就活をして、手厚い福利厚生と任期のない身分という条件を当たり前に見ていると、自分でもよくわからなくなってきます。面接で何度も何度も志望動機を口にしていれば、そちらが本心なのではないかとだんだん思えてきます。この段階で民間に流れる人もきっといるでしょう。

国としては博士を増やす方針だそうですが、この状況では若人を博士課程に導く気になれません。修了後就活か通年就活がスタンダードになればいいのに…。

 

おしまい。